2017年7月3日月曜日

7/2こども説教「火と分裂とを」ルカ12:49-53

 7/2 こども説教 ルカ12:49-53
 『火と分裂とを』

12:49 わたしは、火を地上に投じ るためにきたのだ。火がすでに燃えていたならと、わたしはどんなに願っていることか。50 しかし、わたしには受けねばならないバプテスマがある。そして、それを受けてしまうまでは、わたしはどんなにか苦しい思いをすることであろう。51 あなたがたは、わたしが平和をこの地上にもたらすためにきたと思っているのか。あなたがたに言っておく。そうではない。むしろ分裂である。52 というのは、今から後は、一家の内で五人が相分れて、三人はふたりに、ふたりは三人に対立し、53 また父は子に、子は父に、母は娘に、娘は母に、しゅうとめは嫁に、嫁はしゅうとめに、対立するであろう」。       
(ルカ福音書 12:49-53

  「平和ではなく、むしろ分かれて互いにいがみ合わせるために来た。地上に火を投げ込むために来た」と主イエスが言います。びっくりしましたか? もしかしたら、イエスさまなんだからいつもいつもニコニコして、ただただ慰めたり、励ましたり、「いいんだよいいんだよ」と朝から晩まで子供の頭をなでているかと思っていましたか。例えばあなたの父さん母さんも、あなたが何をしても友だちをいじめても、どんなに悪いことをしていても、いつもニコニコして、「いいんだよ。好きなようにしていなさい」と朝から晩まであなたの頭をやさしく撫でてくれますか。違いますね。悪いことをしたら、本気になって「コラー」って叱ってくれるでしょう。してはいけないことをするなら、「だめです」ときびしい顔をして、良いことと悪いことの区別を精一杯に教えてくれようとするでしょう。その父さん母さんが、もしその子供を本気で愛して、本当に心底から大切に思っているなら、それくらいのことはしてくれます。だって、その子供の親なので。子供を愛する親なので。主イエスも同じです。神さまの御心にかなう良いことは何か、そうではない悪いことは何かをお互いによく分かって、見せかけだけの平和じゃなく本当の平和を見つけ、積み上げつづけ、そうやって生きるためには、ただニコニコしているだけではいけない時もあります。恐~い顔をして、「ダメです。違いますよ。そんなことをしてはいけません」と真剣になって言い争いをしなければならない時もあります。たとえ親と子でも、夫婦でも兄弟や仲良しの友だち同士でも。

       【補足】(*)49節「火がすでに燃えていたなら」;正義と公平を求める、火のような心と在り方。貧しい人がしいたげられているとき、それを見過ごしにしない火のような良心。神を心から愛し、隣人を自分自身のように愛する火のような愛情。
50節「主イエスが受けねばならないバプテスマ(=洗礼・せんれい)」;比喩的な言い方ですが、主イエスがやがて受ける十字架の死と葬りと復活のことです。人々を罪から解放するために、救い主イエスは、ご自身の苦しみと死と復活をもって救いの御業を成し遂げようと決断なさいました。