2019年5月27日月曜日

5/26こども説教「もう一人のシモンも叱られた」使徒8:14-25


 5/26 こども説教 使徒行伝 8:9-25
 『もう一人のシモンも叱られた』

8:18 (シモンは)金をさし出し、19 「わたしが手をおけばだれにでも聖霊が授けられるように、その力をわたしにも下さい」と言った。20 そこで、ペテロが彼に言った、「おまえの金は、おまえもろとも、うせてしまえ。神の賜物が、金で得られるなどと思っているのか。21 おまえの心が、神の前に正しくないから、おまえは、とうてい、この事にあずかることができない。22 だから、この悪事を悔いて、主に祈れ。そうすればあるいはそんな思いを心にいだいたことが、ゆるされるかも知れない。23 おまえには、まだ苦い胆汁があり、不義のなわ目がからみついている。それが、わたしにわかっている」。 (使徒行伝 8:9-23

 魔術を使って人々を驚かし(補足.1、自分をさも偉い者のように言いふらしていたシモンという人がいました。なんと、こんな人さえ救い主イエスを信じ、洗礼を受け、クリスチャンとしていただけました(使徒8:13。その後、主の弟子シモン・ペテロとヨハネがやってきて、洗礼を受けてクリスチャンとされた皆のために祈ると聖霊が授けられました。元・魔術師だったペテロはお金を差し出して、こう言いました。19-23節、「わたしが手をおけばだれにでも聖霊が授けられるように、その力をわたしにも下さい」(補足.2。そこで、シモン・ペテロが元・魔術師のシモンに言いました、「おまえの金は、おまえもろとも、うせてしまえ。神の賜物が、金で得られるなどと思っているのか。おまえの心が、神の前に正しくないから、おまえは、とうてい、この事にあずかることができない。だから、この悪事を悔いて、主に祈れ。そうすればあるいはそんな思いを心にいだいたことが、ゆるされるかも知れない。おまえには、まだ苦い胆汁があり、不義のなわ目がからみついている。それが、わたしにわかっている」。
 ずっと前に、このシモン・ペテロも主イエスからきびしく叱られたことがありました。「サタンよ引き下がれ。わたしの邪魔をする者だ。おまえは神のことを思わないで人間のことばかり思っているじゃないか」(マタイ16:23参照)と。先輩のシモンが後輩のシモンを同じように叱っています。神を思わないで、自分自身や周りの人間たちのことばかり思い煩っていた。そして、自分の損得や金もうけのことばかり思い煩っている。主イエスからきびしく叱られたシモン・ペテロなので、もう一人のシモンの同じような生臭さ、苦い胆汁、罪に縛り付けられていた同じ惨めさがよく分かりました。あなたにも、心当たりがありますか? あの生ずるく腹黒いシモンもこの私たち一人一人も、もしかしたら、ゆるされ、神によって別人のように新しくされて、心のまっすぐな、思いやり深い、とても良いクリスチャンになれるかも知れません。だんだんと、ほんの少しずつでも。だからこそ私たちも、「悪事を悔いて、本気になって主に祈れ」と促されつづけます。

      【補足/それぞれの場合がある】
              (1)当時の魔術師は医者であり、占い師であり、なんでも相談員でもありました。病気を治し、紛失物を見つけたり、悩み事やもめ事を解決してあげたり、悪い霊を追い払って幸運や家内安全を引き寄せたり等々。だから人々から尊敬を集め、お金も儲かりました。
       (2)魔術師シモンはみ言葉の説教を聞いて、信じ、洗礼を受けました。まだまだあまりに生ずるく、腹黒い思いを抱える彼ですが、決して信じていないわけではありません。神を信じる心と、背く罪と欲望の思いが同居しています。私たちも似たようなものです。ずいぶん後になってから悔い改めの実を結ぶようになるのかも知れません。使徒10:44-48では、ユダヤ人ではない外国人たちが神を信じるようになり、聖霊の賜物が注がれた様子を見て、それから大急ぎで洗礼を授けたことが報告されています。
               また、魔術師シモンを厳しく叱るためにシモン・ペテロが用いられていることは、神のなんと適切な配置かと驚かされます。後輩のはなはだしい生臭さと心の鈍さを、あのシモン・ペテロこそが自分自身のこととしてよくよく体験してきたからです(ペテロ手紙(1)2:25参照)。