2016年11月7日月曜日

11/6こども説教「墓場に住む人のために」ルカ8:26-39

 11/6 こども説教 ルカ8:26-39
 『墓場に住む人のために』

8:26 それから、彼らはガリラヤの対岸、ゲラサ人の地に渡った。27 陸にあがられると、その町の人で、悪霊につかれて長いあいだ着物も着ず、家に居つかないで墓場にばかりいた人に、出会われた。・・・・・・36 それを見た人たちは、この悪霊につかれていた者が救われた次第を、彼らに語り聞かせた。37 それから、ゲラサの地方の民衆はこぞって、自分たちの所から立ち去ってくださるようにとイエスに頼んだ。彼らが非常な恐怖に襲われていたからである。そこで、イエスは舟に乗って帰りかけられた。38 悪霊を追い出してもらった人は、お供をしたいと、しきりに願ったが、イエスはこう言って彼をお帰しになった。39 「家へ帰って、神があなたにどんなに大きなことをしてくださったか、語り聞かせなさい」。そこで彼は立ち去って、自分にイエスがして下さったことを、ことごとく町中に言いひろめた。   (ルカ福音書 8:26-38)

 「向こう岸へ渡ろう」と主イエスと弟子たちが湖を渡ってきたのは、一人の人を救いへと導き入れるためでした。その人は悪霊に取りつかれ、鎖と足かせにつながれ、墓場や荒野をさまよいつづけ、長い間苦しめられつづけていました。この人に取り付いた悪霊が「神の子イエスよ、あなたはわたしと何の係わりがあるのです」28節)と叫びかけました。悪さをして人を困らせる悪霊にというよりも、むしろ苦しめられているその人自身に、主イエスは大いに係わりがあります。その人を縛り付け、苦しめているものから自由にしてあげるために、そのためにこそわざわざ湖を渡ってきたのです。また、そういう人々を救うためにこそ、救い主イエスはこの世界に降りてこられたのですから(テモテ手紙(1)1:12-16参照)。名前を聞くと、悪霊は「レギオン」と答えました。とても大勢だ、という意味です。悪霊は、この人の中から追い出すのなら、その代わりに山辺にいたたくさんの豚の群れの中に入らせてほしいと願い出ました。主イエスはその願いをゆるしてやりました。悪霊にとりつかれた豚たちは崖から湖へと駆け下り、溺れ死んでしまいました。悪霊を追い出してもらった人は、正気に戻りました。
 豚を飼っていた者たちは商売の道具であるたくさんの豚を失って、大きな損害を受けました。豚を飼っていた者たちばかりではなく、町や村からやってきた大勢の人々も、主イエスのなさったことをとても迷惑な困ったことだと考えました。「豚を飼う者たちのように、私たちも財産を失ったり、大きな損害や迷惑を受けるかも知れない。とても都合が悪いから出ていってもらいたい、二度と来ないでもらいたい」と人々は主イエスに頼みました。苦しんでいたとてもかわいそうな人が一人、救い主イエスによって救われました。けれどその大きな幸いと喜びに、その人たちは目を向けることができないでいます。自分たちが儲かるか損をするか、自分たちにとって都合がいいか悪いかということにばかりすっかり心を奪われているからです。とても残念なことでした。
  悪霊を追い出してもらった人は「主イエスについていきたい」としきりに願いましたが、自分の住んでいた家へと帰されました。主イエスと出会い、主を信じるようになった人々が大勢います。その中にはいっしょに付いていくことをゆるされた者もおり、自分の家や故郷に帰された者たちもいます。家に帰された者たちは、例えばクリスマスの夜の羊飼いたち、東方からきた博士たち、サマリヤの井戸の傍らで出会った女性、エチオピアの宦官、ほかにもたくさん。実は、その両方共が同じです。どっちにしても、そこから主イエスを信じて生きることがはじまってゆくからです。主イエスを信じて生きるようにされた者たちは、一人残らず全員、彼と同じことを命じられています。39節を見てください。「家へ帰って、神があなたにどんなに大きなことをしてくださったか、語り聞かせなさい」。そこで彼は立ち去って、自分にイエスがして下さったことを、ことごとく町中に言いひろめた。神さまがこの私にも、どんなに大きな素敵なことをしてくださったのか。それを心に留め、子供らや家族に伝え、家に座っている時も、道を歩く時も、寝る時も起きる時も、それらについて語り、味わいつづけて生きるようにと。そのようにして、心を尽くし、精神をつくし、力を尽くして、あなたの神、主を愛するようにと(申命記6:4-9。神さまからとても大きくて素敵なことをしていただいた私たちですから、そのように日々を暮らしてゆくことができるのです。