2016年8月1日月曜日

7/31こども説教「どうして幸いなのか?」ルカ6:20-26

 7/31 こども説教 ルカ6:20-26
 『どうして幸いなのか?』

6:20 そのとき、イエスは目をあげ、弟子たちを見て言われた、「あなたがた貧しい人たちは、さいわいだ。神の国はあなたがたのものである。21 あなたがたいま飢えている人たちは、さいわいだ。飽き足りるようになるからである。あなたがたいま泣いている人たちは、さいわいだ。笑うようになるからである。22 人々があなたがたを憎むとき、また人の子のためにあなたがたを排斥し、ののしり、汚名を着せるときは、あなたがたはさいわいだ。            (ルカ福音書 6:20-22)

  子供にとっても大きな大人にとっても、ここはかなり難しくて分かりにくい所です。だから、主イエスは何を伝えたいのだろうか、どういうことだろうかとよくよく考え込まねばなりません。幸いな人々と、あまり幸いではない人々とが並べ立てられています。しかももちろん、『ただ貧乏だから幸いだ。豊かで金持ちだから神さまに嫌われる』ということではありません。まず24-26節、「わざわいだ」と言われている人々のことを考えてみましょう。「富んでいる人たち」「いま満腹している人たち」「いま笑っている人たち」「人から誉められている人たち」。大雑把すぎる言い方です。ていねいに言い直すと、この人たちの中にはわざわいであり、不幸せである理由を自分自身で抱えている人々が混じっています。全員ではないけれど、そういう人々もこの「富んでいる。満腹している。笑っている。誉められている人々」の中に含まれています。そうではない、安心してその幸せや満足や楽しさを味わっていていい人々も混じっているでしょう。もし、豊かさを独り占めしないで貧しい人々にも分け与えてあげながら、困っている人たちを精一杯に助けてあげながら、その上で喜んだり満ち足りたり、腹一杯に食べたり飲んだりしているのならば、その幸いな人々はこれからもますます幸いでしょう。安心していてください。すると、この私たちは 立ち止まって、胸に手を当てて考えてみなければなりません。はたしてこの自分自身は、心を尽くし力を尽くして神さまを愛しているだろうか。また隣人を自分自身のように愛し、尊んできただろうかと(マタイ福音書22:37-40。自分が何をしているのか。どう生きてきたのか。とくに、周囲の人々に対して、また神さまに対して、自分はどう振舞ってきたのかと。もし私たちが正しくないことや悪いこと、ずる賢いことをして、その満足や幸いを手に入れているならば、あるいは貧しく、腹を空かせて、恐れたり心細く暮らしている人々をそのまま放ったらかしにしながら自分たちだけでその幸いや満足をむさぼっているならば、そのとき、その私たちは災いであり、とんでもない不幸せへ向かって坂道を転げ落ちている真っ最中だと言えるでしょう。兄弟姉妹たち。なぜなら憐れみ深い心優しい神さまがその私たちを見ておられ、生きて働いておられるからです。私たちの悪い行ない、自分勝手でズルくて薄情であることを、かわいそうな弱くて小さく身を屈めさせられている人々に手を差し伸べようとしないことを、その神さまが見ておられるからです。それは恐ろしいことです。
  すると、20-23節の「幸いだ。幸いだ」と言われている人たちが、どうして幸いなのかはすぐに分かります。同じことで、なぜなら憐れみ深い心優しい神さまがその私たちを見ておられ、生きて働いておられるからです。ただ、「貧しくて腹を空かせていて、憎まれたり、ののしられたり悪口を言われたり、除け者にされている人々」の皆が皆、一人残らず全員、幸いだというわけではないはずです。病気だったり体が弱かったわけでもなく、ただなまけていたせいで貧しかったり、悪いことや嫌なことをして人から憎まれたり、除け者にされている人も、この中には混じっているでしょう。その人たちが幸いになるためには、もちろん、「ああ自分はとても悪かった。ずいぶん心得違いをして、人に意地悪をしたり困らせたりしていた。申し訳なかったなあ」と気づいて、心を痛める必要もあるでしょう。そうでなければ、ず~っといつまでも辛くて嫌な思いをしつづけるでしょう。
本当に幸いなのは、自分が悪いせいではないのに貧しくて、腹を空かせていて、苦しめられ、除け者にされ、意地悪をされて困り果てている人々です。彼らのための幸いは、憐れみ深い心優しい神さまがその彼らをちゃんと見ておられ、生きて働いておられることです。神さまは、その彼らやあなたが泣いたり困ったり苦しんでいるのをそのまま放っておきません。きっと必ず、その彼らやあなたを助けて、支えてくださいます。私たちの神さまは慈しみ豊かで、憐れみ深い神(ヨナ書4:2,34:6しかも、この神さまはちゃんと生きて働いておられます。だから 幸いなのです。