4/2 こども説教 ルカ11:4
『悪いものに誘われて』
「わたしたちを試みに会わせないでください」。(ルカ福音書 11:4)
ケンちゃん。「道で知らない人に声をかけられても返事をしちゃいけないし、ついていってもいけない」って教えられたかな。おいしいお菓子をくれるって言われても、ついていっちゃダメですよ。
昔々、ピノキオっていう名前の、木でできた操り人形がいました。学校に勉強しに行く途中で、ピノキオは悪い動物に騙されて、付いていって、ひどい目に会いました。あやうく、もう二度と、おじいさんの待っている家に帰ってこられなくなってしまうところでした。ピノキオのまわりには、いろんな悪い人間や悪い動物たちが近づいてきて、おもしろそうな、楽しそうな、素敵そうないろんなことを言って誘いかけます。その度にピノキオは付いていって、ひどい目に会いつづけます。小さなコオロギと友だちになって、「ダメだよ、ダメだよ」って教えてくれたけど、ピノキオはコオロギの言うことは聞かないで、悪い人間や悪い動物たちの言うことばかり聞いて、彼らの言いなりにされつづけてしまいます。
私たちの魂の中にも、この小さなコオロギ君のような良い友だちが住んでいて、「ダメだよ、ダメだよ」と教えてくれます。実は、良い友だちばかりじゃなくて、悪い友だちも私たちみんなの心の中に住んでいて、おもしろそうな、楽しそうな、素敵そうないろんなことを言って誘いかけつづけます。神さまに逆らって、思いどおりに好き勝手に楽しく暮らしていこうよと。そのまま放っておくと私たちもピノキオと同じにひどい目にあいつづけ、自分が困るだけじゃなく他のお友だちに意地悪をしたり、困らせたり悲しませたりもしてしまいます。「神さま、どうかお願いします。悪い友だちや自分の悪い心の言いなりにならないでいられるように助けてください」と祈りましょう。そうしたら、神さまが、ちゃんと助けてくださいます。
【補足/悪より救い出してください】
500年前の信仰問答は、私たちを攻め立てる『悪』とは、(1)悪魔と、(2)この世の在り方と、(3)自分自身の肉の思いであると説き明かしました(ハイデルベルク信仰問答,問127参照)。その通りです。聖書自身も、「(あなたがたは)死に至る罪の僕ともなり、あるいは、義にいたる従順の僕ともなるのである」(ローマ手紙6:16-18)と。主イエスは十字架にかかる前の晩にゲッセマネの園で祈りの格闘をなさいました。そうしながら、眠り込んでしまおうとする弟子たちを案じて,顧みつづけます。彼らの弱さと脆さに思いを寄せ、誘惑と試練の重みに目を閉じてしまいそうな彼らのことが気がかりでならないからです。私たちは心も体も弱い。とてもとても弱い。どうやって主の御もとを離れずにいることができるでしょうか。主を思うことによってです。『私の主であってくださる方が、この私を愛し、大切に思っていてくださる。私を養い、支え、どこまでも何があっても守りとおしてくださる。だから私は弱くても、乏しくても、愚かであっても、恐れはない。主によってこそ、何一つ欠けることがない』と。