2016年10月9日日曜日

10/9こども説教「タネをまかれた土地」ルカ8:4-15

 10/9 こども説教 ルカ8:4-15
 『タネをまかれた土地』
+駅前アピール(10/7『日米原子力協定って何だ?』  

8:4 さて、大ぜいの群衆が集まり、その上、町々からの人たちがイエスのところに、ぞくぞくと押し寄せてきたので、一つの譬で話をされた、5 「種まきが種をまきに出て行った。まいているうちに、ある種は道ばたに落ち、踏みつけられ、そして空の鳥に食べられてしまった。6 ほかの種は岩の上に落ち、はえはしたが水気がないので枯れてしまった。7 ほかの種は、いばらの間に落ちたので、いばらも一緒に茂ってきて、それをふさいでしまった。8 ところが、ほかの種は良い地に落ちたので、はえ育って百倍もの実を結んだ」。     (ルカ福音書 8:4-8

 このたとえ話を読んで、「何か変だ。どこかがおかしい」と感じませんでしたか? 5-8節、「種まきが種をまきに出て行った。まいているうちに、ある種は道ばたに落ち、踏みつけられ、そして空の鳥に食べられてしまった。ほかの種は岩の上に落ち、はえはしたが水気がないので枯れてしまった。ほかの種は、いばらの間に落ちたので、いばらも一緒に茂ってきて、それをふさいでしまった。ところが、ほかの種は良い地に落ちたので、はえ育って百倍もの実を結んだ」。タネをまいたこの人は、神さまご自身です。タネは、福音の言葉です。タネをまかれた色々な土地は、神の福音の言葉を聴いた私たちです。すると、種を蒔く人のこの蒔き方はおかしいと思います。むやみやたらに、いい加減に種を蒔いているのでしょうか。どこでもいいから、芽が出ても出なくてもどっちでもいいから、とにかく、ただ行き当たりばったりに種を蒔いているのでしょうか。それが、神のなさり方でしょうか。タネをまかれたあなた自身はどんな土地ですか。よい土がふかふかに厚く積み重なった、よく肥えた、とても良い土地? それとも道端や、岩の上や、イバラの生い茂る土地だったでしょうか。いいえ 初めから良い土地なんて、どこにもありません。むしろ、どの土地もどの土地も、石ころだらけの雑草やイバラの茂るかなり手ごわい、痩せて干からびた土地でした。
  世界の初めには、地上にはまだ野の木も、野の草も生えていませんでした(創世記2:4)。草一本生えない、寒々しい荒れ果てた大地がどこまでもどこまでも広がっています。神さまは夢を見ました。「草や木が青々と生い茂る世界はどうだろうか。木には花が咲き、おいしい様々な実がたわわに実り、風が吹き渡り、鳥が枝に巣を作ってそこでヒナを育てるようになったらどうだろう。素敵だ」と。その手には、タネが握られています。タネを見て、そして目の前に広がる荒涼とした大地を見渡して、神さまはタネを蒔きはじめます。どんなふうに? 行き当たりばったりにではなく、けれど「この土地にも。この土地にも。どんな土地にも種を蒔きたい」と願ったのです。「あの道端の土地のような所にも。あの石っころだらけの痩せた貧しい土地にも。あの茨が生い茂ったような、気難しくて、ひどく手間隙かかる厄介な土地にも、私はぜひ種を蒔きたい。ぜひ、その種を芽生えさせ、葉や茎を伸ばさせ、豊かな収穫を結ばせたい」(コリント手紙(2)9:8-11,ルカ福音書13:6-9,マルコ福音書4:26-29,126:4-6。ぜひそうしたいと。熱情の神であり、最後の最後まで責任を負いとおす神です。だからこそタネをまく人は同時に直ちに、土を耕す農夫でもありつづけました。タネを食べようと、鳥が次々にやって来ました。その農夫は鳥を追い払い、種を守って土地の世話をする者でありつづけました。強い日差しのような苦しみや悩みが、折々に種たちを弱らせました。茨や雑草のような思い煩いや誘惑、いろいろな欲望もまた、風に運ばれてきました。2、3日でも放っておけばどんどん茨は伸びて生え広がり、土地をすっかり覆いつくしてしまいます。今日は、土地を集めて手入れをする日です。もし一週間も畑を、丸々ず~っと放ったらかしにしておいたら、その畑がどうなっているか分かるでしょ。一週間にたったの一回の手入れですから、その間に雑草や茨がウジャウジャ生い茂ってしまった土地もあるでしょう。いつの間にか、石ころだらけになってしまった土地もあるでしょう。でも大丈夫。もし、伸びてくる雑草に目を配り、心を砕いてよく手入れをしてくれるただお独りのとても良い農夫がいるならば、その土地はふたたび何度でも何度でも良い土地に生まれ変わってゆく。もし、石っころを取り除き、雑草をむしり、肥料を施し、水をまき、害虫や空の鳥を遠ざけて、昼も夜も世話しつづけてくれるただお独りのとても良い農夫がいてくださるならば、石ころと茨だらけの粗末な痩せた貧しいその土地さえも、やがてだんだんと、少しずつ良い土地になっていきます。必ずそうなります。







 上田駅前アピール(10/7
『日米原子力協定って何だ?』  

  こんにちは。大手町一丁目の日本キリスト教会上田教会の牧師、金田です。よく分からないんですけど、日本にはどうして66基ものたくさんの原子力発電所があり、しばらく休んでいた発電所もなんだかウヤムヤなまま次々と再稼働し、賞味期限切れの痛んで腐ってお腹も体も壊しそうな、もう使いつづけてはいけないはずの、いつ壊れても不思議ではないポンコツの原子力発電所までも運転しつづけるんですか? しかも電力が足りないわけでもなく、内緒にしてましたけど、この国には電力がたっぷりあって、本当は余って余ってしかたがないほどなのに、どうして目の色を変えて、次々と再稼働するんですか。
 『日米原子力協定』ってものがあるからです。およそ60年前の1955年からです。戦争に負けて講和条約を結んで、日米安全保障条約と日米地位協定と結んで、これから親分のアメリカ様に子分の日本は何でも言う通りにご無理ごもっともと従う手下になる約束をして、その約束の一部が『日米原子力協定』です。その協定のおかげで、わが日本は核燃料サイクルをもち、自力で核兵器を作れる力と技術をもってる。すごいでしよう、自分たちで核兵器を作れるし、それを使ったり売りさばいて大儲けもできます。核保有国以外で原子力燃料の再処理工場をもってるのは日本だけです。ただし 日本が親分アメリカ様の言いなりに従う手下である限り認めてくださるんですって。親分の言いなりの使いっ走りさせられつづける、この日本ていう子分は。政府と電力会社にまんまと言いくるめられて、札束を山ほど握らされて、「原発がなければこの過疎の、田舎の、貧乏な地区はただちに破産して潰れてしまうぞ~、人っこ一人いなくなったらどうするんだあ~」なんて脅かされて、「ああ。そりゃあ大変だ。原発さまさま、電力会社さまさま、政府のお役人と与党の国会議員さまさま。どうぞよろしく」と、すっかり丸めこまれちゃって。それを私たちも「しょうがないや。おカミの仰ることだから」と見て見ぬふり聞いても聞かなかったふりして涼しい顔をして通り過ぎていくんですね。薄情だなあ 福島や愛媛や静岡の子供たちの甲状腺が腫れても、癌になってやがてバタバタと倒れて死んでいっても関係ないんでしょ。自分たちのいま目の前にある生活がほどほど豊かならそれでいいんですか。自分たちの近所には危なくて恐ろしい原発が一つもないらしいから、いくら原子力発電所の大事故があちこちで起きて、大勢の人々が放射能の毒をたくさん浴びて被曝しても、他人事だから関係ないんですね。知ってますか。ここの中部電力が運転している静岡県御前崎市の浜岡原発はものすごく危ないですよお。ヨソさんのことですけど、四国電力が運転している愛媛県西宇和郡にある伊方(いかた)原発もすごく危ない上に、その細長い半島の先っぽに住む住民たちは、おじいちゃんお婆ちゃん父さん母さんも子供も赤ちゃんも大爆発が起こったら逃げ場も逃げ道も避難場所も何もないんですヨオ。震源地のすぐ脇にある、九州電力の鹿児島県薩摩川内市にある川内(せんだい)原発もいつ何が起こってもおかしくないし、「せめて地震がだいたい収まるまででいいから発電所の運転を止めてくれないか、お願いだから。恐くて恐くて夜も眠れない」と住民が必死に訴えつづけても「大丈夫大丈夫。安全安心」と涼し~い顔をしつづけます、この国の政府与党も電力会社も原子力規制委員会も。そして私たち国民の大多数も。なんて無責任で薄情で自分勝手な人間でしょうか、この私たち全員は。ほんの少しは胸が痛みませんか? もし知らんぷりしているなら、あなたは 妻や子供たちに顔向けできますか。子供や孫や、後から来る新しい世代の人々にお詫びのしようもありません。
  ♪ 浜岡原発、再稼働反対。伊方原発再稼働反対。原発なくてもちっとも困らない。大事故起きたら、とっても困る。日米原子力協定って何だ。日米原子力協定って何だ。住民が被ばくしてもいいのか、お金が儲かってアメリカさまが喜べばそれでいいのか。薄情者め~! 薄情者め~


     【参照資料】『小出裕章ジャーナル』(第31回 2013810日付)日米原子力協定の真相とは?「日本はなんとしても自力で核兵器をつくる力を身につけておきたいと思ったわけです」~第31回小出裕章ジャーナル2013810
【聞き手】
今日は、ズバリ、「日米原子力協定」についてお伺いします。1955年に(日米原子力研究協定が)結ばれて、68年に旧協定が結ばれて、88年に今の協定(=原子力の平和利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の効力発生に関する件)が中曽根内閣の時に結ばれました。この協定が今も有効なわけですね?
【小出さん】
そうですね。確か、30年だったですかね?
【聞き手】
そうです。だから、2018年まで日米原子力協定が今もあるわけですね?
【小出さん】
もちろんです。
【聞き手】
この協定は、どんな内容でどんな問題点がありますか?
【小出さん】
原子力協定だけを特別、歴史の流れから切り離すというのは、もちろん間違いなのであって、日本というこの国がサンフランシスコ講和条約で一応、米軍から解放された時からの流れの中で理解するべきだと思います。
日本には、日米安全保障条約があるわけですし、日米地位協定というものもあるわけですね。そういうものの基本的な枠組みは何かというと、日本というものが米国の属国になっていく、そういうことなのですね。
原子力協定ももちろんその一部をなしているわけで、米国の指導の下というか、米国の思惑の枠組みの中で原子力をやってきた。米国に付き従っている限りは一定の自由を与えてやろう、そういう協定です。
【聞き手】
例えば、核燃料サイクルですが、日本はやめたいと思っても、この協定がある限りはやめれないでしょ?
【小出さん】
もともとは、米国も日本には核燃料サイクルはやらせたくなかったのです。というのは、核燃料サイクルというのは、いわゆる核兵器製造サイクルというべきものでして、原子炉で出来たプルトニウムを取り出すということが一番の眼目なのですね。
でも、日本はなんとしても自力で核兵器をつくる力、技術的な能力を身につけておきたいと思ったわけで、その中心的な技術である再処理ということをやりたかったわけです。やはり、米国としては、日本にそれをやらせるのはまずいと思ったわけで、日本が再処理に手をつけるということに関しては、米国の中で随分反対があったのです。その反対を押し切って、1977年に東海の再処理工場というのが動き出したわけで、ようやく、日本としては、米国から了承を取り付けて、核燃料サイクルに踏み込むことが出来たということなのです。
それをもちろん、簡単に手放すことが出来ないわけですし、世界で唯一なのですね、核保有国以外に再処理工場を認めたというのは日本だけなのであって、日本が属国である限り、認めておいてやろう、というそういう枠組みの中で原子力協定があるのです。
ですから、歴史の流れの中で考える限りは、日本は自分でも抜けたくないだろうし、米国としても今も枠組みが維持できている限りは、日本はその枠組みで利用したいと思っていると思います。
【聞き手】
私は逆に考えてまして、核燃料サイクルというのはアメリカが日本に実験させてそれを見ていると思っていたのですが、日本も核兵器をつくりたいからやりたいのですか?
【小出さん】
そうです。
【聞き手】
単刀直入にいうと、野田内閣の時に20万人が官邸を取り囲みました。野田さんは「大きな音だね」と言いましたが、野田内閣が再稼働せざるを得なかったのは、日米原子力協定があるからですか?
【小出さん】
先ほどから聞いて頂いているように原子力協定も歴史の枠組みの中で考えるべきだと思っていまして、米国という国は日本が属国である限りは、それなりの自由を与えて、原子力あるいは核という世界に留めておこうと思っているわけですね。
ですから、核燃料サイクルというものもそれなりに認めておいてやろうと思っているわけですし、原子力という、そういう世界につなげとめておくことによって、米国は原子力発電所を売りつけたりすることで、利益、つまり、金が自分の懐に入ってくるというために、日本は逃がさないと思っているのだと思います。
【聞き手】
例えば、日本がアメリカの原子炉を購入することで、ウランやプルトニウムの燃料で儲けていこう、そういう考えもあったんですか?
【小出さん】
ウランを売りつける。或いは、原子力発電所というのは、天然のウランでは日本の原子力発電所は動かないわけで、濃縮という大変厄介なことをしなければいけないのですが、米国はウラン濃縮、つまり原爆をつくるためのウラン濃縮工場をたくさん作りすぎてしまって、そこから出てくる濃縮ウランをどこかへ売らなければ儲からないのですね。
【聞き手】
アメリカは余ってたんですか?
【小出さん】
そうです。山ほど余ってますので、とにかく原子炉を売りつけて、燃料を売りつけることで金儲けをする、そして、原子炉自身も米国がパテント(特許、特許権)を持っているわけですから、売れば売るほど儲かる。ただし、米国自身はゼネラルエレクトリック(GE)もウエスティングハウスも、すでに生産ラインと失ってしまっていますので。
【聞き手】
スリーマイルの時からですね?
【小出さん】
それより前から1974年から米国は原子力から撤退しているのです。生産ラインがないので・・・
【聞き手】
米国の方が賢いのですね?
【小出さん】
遥かに賢いです。それで、日本の生産ラインを動かして、それでまた金儲けをしようと企んでいるのです。
【聞き手】
危険は日本任せで、利益はアメリカが取ろうとしているわけですね。
【小出さん】
そうです。
【聞き手】
日本も原子力ムラはそれで儲けたいし、核兵器をつくりたいという思惑もあるので、日米ムラがお互いいいだろうということでつくったような協定ですよね?
【小出さん】
まあ、国家としての思惑、企業としての思惑というのが複雑に絡み合って、もちろん米国は利益を求めるわけですし、日本の企業もすでにつくってしまった生産ラインがあるので、もう抜けることができないことで儲けることに走っているわけです。
【聞き手】
日米安保がある限り、沖縄や横須賀に基地があるわけです。だから、沖縄の人が声をあげても基地はなかなか撤去できませんよね?
【小出さん】
そうです。
【聞き手】
これと同じ構図が原子力にもあって、結局、日本政府も基地ビジネスで儲けたい人がいて、軍産複合体もそれで儲けたい人がいるし、アメリカだって、日米安保条約の中で沖縄に基地を置きたい、という両者の野合みたいなものが安保条約であって、結局、沖縄の人が苦しんでいるわけですよね?
【小出さん】
そうです。
【聞き手】
今回、再稼働を申請している原発というのはほとんどプルサーマルが出来る能力があるものが多いですよね?
【小出さん】
はい。それが多いですね。
【聞き手】
日本政府も電力会社も前のめりになっているのは、プルトニウムを回し続けたいという思いがあるのですか?
【小出さん】
プルトニウムを回し続けることはもうできません。高速増殖炉が動きませんので。しかし、日本はすでにプルトニウムを分離した形で、45トンも持っていて、それを使うと長崎原爆が4000発も出来てしまうという量なのですね。そんなものを世界が容認してくれるわけはなくて、日本は使い道のないプルトニウムは持たないという国際公約をすでにさせられてしまっているのです。
そうなれば、なんとしても燃やすしかないということで、無理に無理を重ねて、プルサーマルということをやらざるえないところに押し込められてしまっているのです。
【聞き手】
この日米原子力協定は2018年に期限が切れます。
【小出さん】
これは破棄するべきだと思いますし、原子力協定だけでなく、地位協定だって破棄させるべきですし、日米安保条約だって破棄するべきだと思います。
【聞き手】
本当の意味で独立していかなければいけませんね?
【小出さん】
そうです。



*『小出裕章ジャーナル・シリーズ』;インターネットで検索し、全文を読むことができます。他にも、「汚染水」「地下水流入を防ぐ手段」「膨大な被爆作業労働者の確保」「高まる再稼働の気運」「核のゴミをどうするか」「使用済み核燃料の取出し」「事故から4年」「石棺で封じ込めるしかない(2015,4,25)」「避難指示解除は妥当か(2015,7,11)」「廃炉工程表見直しについて(2015,7,25)」「川内原発再稼働(2015,8,8)」「浜岡原発再稼働問題」20151120日)参照。