11/7 こども説教 創世記6:5-22
『箱舟を造る』(大洪水①)
6:5
主は人の悪が地にはびこり、すべてその心に思いはかることが、いつも悪い事ばかりであるのを見られた。6 主は地の上に人を造ったのを悔いて、心を痛め、7 「わたしが創造した人を地のおもてからぬぐい去ろう。人も獣も、這うものも、空の鳥までも。わたしは、これらを造ったことを悔いる」と言われた。8 しかし、ノアは主の前に恵みを得た。9 ノアの系図は次のとおりである。ノアはその時代の人々の中で正しく、かつ全き人であった。ノアは神とともに歩んだ。10 ノアはセム、ハム、ヤペテの三人の子を生んだ。11 時に世は神の前に乱れて、暴虐が地に満ちた。12 神が地を見られると、それは乱れていた。すべての人が地の上でその道を乱したからである。13 そこで神はノアに言われた、「わたしは、すべての人を絶やそうと決心した。彼らは地を暴虐で満たしたから、わたしは彼らを地とともに滅ぼそう。14 あなたは、いとすぎの木で箱舟を造り、箱舟の中にへやを設け、アスファルトでそのうちそとを塗りなさい。15 その造り方は次のとおりである。すなわち箱舟の長さは三百キュビト、幅は五十キュビト、高さは三十キュビトとし、16 箱舟に屋根を造り、上へ一キュビトにそれを仕上げ、また箱舟の戸口をその横に設けて、一階と二階と三階のある箱舟を造りなさい。17 わたしは地の上に洪水を送って、命の息のある肉なるものを、みな天の下から滅ぼし去る。地にあるものは、みな死に絶えるであろう。18 ただし、わたしはあなたと契約を結ぼう。あなたは子らと、妻と、子らの妻たちと共に箱舟にはいりなさい。19 またすべての生き物、すべての肉なるものの中から、それぞれ二つずつを箱舟に入れて、あなたと共にその命を保たせなさい。それらは雄と雌とでなければならない。20 すなわち、鳥はその種類にしたがい獣はその種類にしたがい、また地のすべての這うものも、その種類にしたがって、それぞれ二つずつ、あなたのところに入れて、命を保たせなさい。21 また、すべての食物となるものをとって、あなたのところにたくわえ、あなたとこれらのものとの食物としなさい」。22 ノアはすべて神の命じられたようにした。(創世記6:5-22)
【こども説教】
創世記3章から始まった『人の悪い思いと行い』は、雪だるまを転がすようにドンドンドンドン大きくなっていきます。神さまは心を痛め、後悔して、人も生き物すべても滅ぼしてしまおうと考えました。9節に、「ノアは正しく、かつ全き人であった」と書いてあります。けれどもちろん、その正しさや完全さは、神のような正しさや完全さではありません。やがて大洪水後の最初の礼拝のなかで、「人が心に思い図ることは幼い時から悪い」(創世記8:21)と神さまから言い渡されるとき、その悪い人間の中にノア自身と家族も入っているからです。ですから、あの彼の正しさや 完全さもまた、人間に過ぎないものとしての、ほどほどの正しさと完全さであり、悪い心や神に逆らう思いも含む正しさであると知っておく必要があります。私たちも同じです。そのうえで、ノアは主の前に恵みを得、神と共に歩みました。彼の正しさは、自分や他の誰彼の心や腹の思いに従おうするのではなくて、なにしろ神の御心に従って生きようとする正しさです。命じられたとおりに箱舟を造りました。また、すべての生き物の中から雄と雌二つずつ箱舟に入れなさいと命じられました。次の7章8-10節では、「生き物たちが自分で箱舟のところに来て、自分で箱舟に入った」ことが報告されています。生き物たちは、神の招きに応えて、神の御心に従って自分で箱舟に入ったのです。救いの契約は、ノアとその家族と子孫ばかりではなく、生き延びたすべての生き物たちにまで広げられます(創世記
9:10-17を参照)。