11/21 こども説教 創世記 9:8-17
『すべての生き物との契約』
9:8
神はノアおよび共にいる子らに言われた、9 「わたしはあなたがた及びあなたがたの後の子孫と契約を立てる。10 またあなたがたと共にいるすべての生き物、あなたがたと共にいる鳥、家畜、地のすべての獣、すなわち、すべて箱舟から出たものは、地のすべての獣にいたるまで、わたしはそれと契約を立てよう。11 わたしがあなたがたと立てるこの契約により、すべて肉なる者は、もはや洪水によって滅ぼされることはなく、また地を滅ぼす洪水は、再び起らないであろう」。12 さらに神は言われた、「これはわたしと、あなたがた及びあなたがたと共にいるすべての生き物との間に代々かぎりなく、わたしが立てる契約のしるしである。13 すなわち、わたしは雲の中に、にじを置く。これがわたしと地との間の契約のしるしとなる。14 わたしが雲を地の上に起すとき、にじは雲の中に現れる。15 こうして、わたしは、わたしとあなたがた、及びすべて肉なるあらゆる生き物との間に立てた契約を思いおこすゆえ、水はふたたび、すべて肉なる者を滅ぼす洪水とはならない。16 にじが雲の中に現れるとき、わたしはこれを見て、神が地上にあるすべて肉なるあらゆる生き物との間に立てた永遠の契約を思いおこすであろう」。17 そして神はノアに言われた、「これがわたしと地にあるすべて肉なるものとの間に、わたしが立てた契約のしるしである」。
(創世記
9:8-17)
【こども説教】
全世界が危うく滅びかけた大洪水は、私たち人間の罪がとてもひどかったせいです。人間の罪のために(創世記6:5.12「人の悪」「すべての人が道を乱した」)、他すべての生き物までも一緒にすっかり滅ぼされてしまうところでした。けれど神は思い直しました。私たち人間が「小さな子供のころから、ついつい悪いことを思ってしまう」と知りながら、とても悪い張本人の私たち人間もゆるし、ほかの生き物すべても、救いと祝福の中へと招いてくださっています。心の優しい神さまです。神さまは、その救いの約束のしるしとして、空に虹を置きました。「虹を見るたびに、神のゆるしと、その心の優しさや温かさを思い出しなさい」と私たちに勧めるばかりでなく、なんと神さまご自身が真っ先に、その救いの約束を御心に噛みしめ、味わいつづけるとおっしゃるのです。こういう神さまです。
ですから、神の心優しさを知った者たちは、空にかかる虹を見るたびに心が踊ります。とても嬉しくなります。神さまのその優しさや温かさや、思いやり深さを思い起こすからです。私のためばかりでなく、すべての人間を思いやり、人間ばかりでなく、神によって造られたすべての生き物を思いやる、その神さまの御心をはっきりと思い起こすからです。
【大人のための留意点 ①②】
①
しるしは元来、私たちのために与え
られるものです。ところが、神は「雲の中に虹が現れると、わたしはそれを見て、神と地上のすべての生き物、すべて肉なる者との間に立てた永遠の契約を心に留める」(16節)と言われます。神ご自身がそれを見て率先して思い起こして下さるのです。ここにも神の忍耐と憐みの大きさが示されています。
このような恵みの契約の中に招かれている私たちは、それゆえ一層、この地上において人間の命と被造世界全体が、御心にかなって保持されるために仕えなければなりません。神の恵みをあなどるわけにはいきません(「旧約聖書に聴く『原初史が語る人間と世界』(10)高松牧人、著 『福音時報』2021年10月号)。
②
私の心は踊る
虹が空にかかるのを見るときに
私のいのちの初めにそうだった。
私は大人になったが今でも同じだ。
私が年老いたときにも
やはり同じであってほしい。
もし、そうでないなら、
生きていて何の意味があるだろう。
こどもは大人のための父親役だ。
願い求めます、
私が生きる一日一日が自然への敬愛と
堅く結ばれつづけることを。
(『虹』ワーズワーズ 1802年)
「父親役」;子供時代の心が基調・土台となって、やがてそこから大人の思想感情が生み出され、形成されてゆくの意味で。