12/6 こども説教 使徒行伝21:27-36
『神殿での騒動』
+【付録①/クリスチャンの家族の対話。苦しむとき】
21:27 七日の期間が終ろうとしていた時、アジヤからきたユダヤ人た ちが、宮の内でパウロを見かけて、群衆全体を煽動しはじめ、パウロに手をかけて叫び立てた、28 「イスラエルの人々よ、加勢にきてくれ。この人は、いたるところで民と律法とこの場所にそむくことを、みんなに教えている。その上、ギリシヤ人を宮の内に連れ込んで、この神聖な場所を汚したのだ」。29 彼らは、前にエペソ人トロピモが、パウロと一緒に町を歩いていたのを見かけて、その人をパウロが宮の内に連れ込んだのだと思ったのである。……33 千卒長は近寄ってきてパウロを捕え、彼を二重の鎖で縛っておくように命じた上、パウロは何者か、また何をしたのか、と尋ねた。34 しかし、群衆がそれぞれ違ったことを叫びつづけるため、騒がしくて、確かなことがわからないので、彼はパウロを兵営に連れて行くように命じた。35 パウロが階段にさしかかった時には、群衆の暴行を避けるため、兵卒たちにかつがれて行くという始末であった。36 大ぜいの民衆が「あれをやっつけてしまえ」と叫びながら、ついてきたからである。 (使徒行伝21:27-36)
人間はだれでも自分の心の中でありもしない物語を造り出して、それが本当のことだとついつい思い込んでしまいます。「誰々さんは、なにか恐い顔つきで私をにらんでいた。私のことを怒っているらしい。なにか意地悪なことを私にしようとして、待ち構えているにちがいない」などと。そのとき、その人の心は曇って、本当のことがよく分からなくなっています。同じようなことが誰にでもあります。「パウロが悪い人間で、神に逆らう悪いことをしたり、人々をだましたり、困らせたりする人間だ」と思い込んでいるユダヤ人たちがいました。その人たちが神殿の中でパウロを見かけました。「あいつだ。また、なにか悪いことをしようとしているに違いない。ユダヤ人しか入ってはいけない神聖な場所に外国人をかってに入らせたのかも知れない。さあ大変だ」。この人の呼びかけに惑わされて、他の大勢の人たちもパウロを捕まえようとしました。たいへんな大騒ぎになり、その人たちはパウロを殺してしまおうとさえしました。ローマ帝国の軍隊が出てきて、人々とパウロを引き離しました。その頃はローマの国がユダヤ全体を支配しており、ローマの軍隊が警察の役割をしていたからです。
さて、このたいへんな騒動の只中で、神さまがどのように生きて働かれ、御心のとおりに世界と人々を動かしておられるのか、よく分かりません。後になってから、それは明らかにされてゆきます。
まわりにいる人間のことばかり思い煩って、神を思うことがなかなかできなくなる日々があります。神さまを長く信じてきた大人や牧師自身も、そのように心を弱らせ、惑わされる日々があります。そのとき家族や友だちが、クリスチャン同士として互いに励まし合うことができます。「神が味方である」と独りで聖書を読むこともできますが、その言葉を生身の人間から語りかけてもらえるなら、とても心強いです。いっしょに祈って、やさしくハグしてもらったり、「神さまがあなたの味方です。私も味方ですよ。だから、とても困ることはありません」「天地を造られた神から、あなたの助けが必ず来ます。本当だよ」(ローマ手紙8:31,詩編121など)と。