9/11 こども説教 ルカ7:11-17
『深く憐れむ神さま』
7:11 そののち、間もなく、ナインという町へおいでになったが、弟子たちや大ぜいの群衆も一緒に行った。12
町の門に近づかれると、ちょうど、あるやもめにとってひとりむすこであった者が死んだので、葬りに出すところであった。大ぜいの町の人たちが、その母につきそっていた。13
主はこの婦人を見て深い同情を寄せられ、「泣かないでいなさい」と言われた。14 そして近寄って棺に手をかけられると、かついでいる者たちが立ち止まったので、「若者よ、さあ、起きなさい」と言われた。15
すると、死人が起き上がって物を言い出した。イエスは彼をその母にお渡しになった。16 人々はみな恐れをいだき、「大預言者がわたしたちの間に現れた」、また、「神はその民を顧みてくださった」と言って、神をほめたたえた。 (ルカ福音書 7:11-16)
ある町の門に、主イエスと弟子たちと大勢の人々が近づいていきました。夫に先立たれたある女性の一人息子が死んで、葬りをするところでした。独りぼっちで残されたこの女性を見て、救い主イエスはとてもかわいそうに思いました。胸がかきむしられるほどに、あまりに悲しくて苦しくて、自分のハラワタが流れ出てしまいそうなほどに。「泣かないでいなさい」とこの女の人に主イエスは語りかけ、棺に手をかけて、死んだ息子に「さあ起きなさい」と呼びかけました。死んでいたはずの若者は起き上がって、物を言い出し、そこで主イエスはこの息子を母親に渡しました。
よくよく分かっていなければならないことは、神が顧みて、とてもかわいそうに思ってくださる(13,16節「深い同情を」「顧みて」)その幸いな相手は、実は、この一人の未亡人だけではなく、ユダヤ人やクリスチャンだけではなく、ただ人間だけでもいなく、生命あるすべての者たちです(創世記9:10-,同12:1-3,ローマ手紙8:18-,讃美歌100番「生ける者すべて~」)。人々がまるで飼う者のない羊のように弱り果て、倒れているのを見て、とてもかわいそうに思ってくださったように。胸がかきむしられるほどに、あまりに悲しくて苦しくて、自分のハラワタが流れ出てしまいそうなほどだったように。そのため天の父なる神は、その独り子、救い主イエス・キリストをこの世界に贈り与えてくださって、確かな救いの道を切り開いてくださいました。聖書は証言します、「もし、神がわたしたちの味方であるなら、だれがわたしたちに敵し得ようか。ご自身の御子をさえ惜しまないで、わたしたちすべての者のために死に渡されたかたが、どうして、御子のみならず万物をも賜わらないことがあろうか」(ローマ手紙8:31-32)。御子イエスを贈り与えてくださっただけではなく、イエスと一緒に、他すべて一切をさえも必ず贈り与えてくださるという約束です。神さまからの約束です。「泣かないでいなさい」とは、泣いたり嘆き悲しんだりしないでいられるあなたにしてあげようという救い主からの招きです。皆、そのように招かれました。とても辛いことや苦しいことはもちろん誰にでもあるし、あっという間の短い人生を生きて、誰でもやがていつか必ず死んでいきます。それでもなお、その辛さを乗り越えることができるようにしてくださる。「大預言者がわたしたちの間に現れた。神は私たちを顧みてくださった」(16節)と人々は喜びました。その同じ一つの喜びを、この私たちも喜ぶことができます。主イエスによって、私たちは、神さまの永遠の変わることのない御心をはっきりと教えていただけるからです(*)。その神さまの御心にかなって毎日毎日を生きて、やがて晴れ晴れと死んでゆくことさえ出来るからです。もし、そうしたいと望むなら、この私たち自身も。
(*)【補足/救い主イエスの職務】
☆主イエスのつとめは何ですか。
★預言者、大祭司、王の王です。
(⇒ ヘブル手紙1:1-3,同2:17-18,同4:14-16,マタイ福音書28:18-20)
☆主イエスの預言者のつとめは何ですか。
★神の永遠のみこころを お教えくださいます。
(⇒ マタイ福音書17:1-5,ヨハネ福音書1:18,同14:6-17)
☆主イエスの大祭司のつとめは何ですか。
★ご自分のお体を十字架にささげて、わたしたちの罪の罰をうけてくださり、天で わたしたちのために父なる神さまに、とりなしていてくださいます。
(⇒ ヘブル手紙2:17-18,同4:14-16,同9:11-28)
☆主イエスの王のつとめは何ですか。
★すべての人と教会を治めるために御言葉をお語りくださり、聖霊をお送りくださいます。また、わたしたちを守ってくださいます。
(⇒ マタイ福音書28:18-20,ルカ福音書10:18-20,ヨハネ福音書14:25-27,同20:19-23)
(上田教会,「こども交読文1」から抜粋)