1/10 こども説教 使徒行伝22:17-21
『主が私を送り出す』
22:19 そこで、わたしが言った、『主よ、彼らは、わたしがいたるとこ ろの会堂で、あなたを信じる人々を獄に投じたり、むち打ったりしていたことを、知っています。20 また、あなたの証人ステパノの血が流された時も、わたしは立ち合っていてそれに賛成し、また彼を殺した人たちの上着の番をしていたのです』。21 すると、主がわたしに言われた、『行きなさい。わたしが、あなたを遠く異邦の民へつかわすのだ』」。22 彼の言葉をここまで聞いていた人々は、このとき、声を張りあげて言った、「こんな男は地上から取り除いてしまえ。生かしておくべきではない」。23 人々がこうわめき立てて、空中に上着を投げ、ちりをまき散らす始末であったので、24 千卒長はパウロを兵営に引き入れるように命じ、どういうわけで、彼に対してこんなにわめき立てているのかを確かめるため、彼をむちの拷問にかけて、取り調べるように言いわたした。
(使徒行伝22:17-21)
救い主イエスを信じて、その弟子とされたパウロは、自分自身が受け取った神の恵みを自分と同じ民族、とても大切な身内であるユダヤ人たちにぜひ伝えたいと願いました(ローマ手紙9:2-3「大きな悲しみ。絶えざる痛み。わたしの兄弟、肉による同族のためなら、わたしのこの身が呪われて、キリストから離されてもいとわない」参照)。その彼らにも、主イエスを信じる信仰とその恵みとを分け与えたかったからです。はじめにはキリスト教を憎み、クリスチャンたちを困らせたり、いじめたり、牢獄に閉じ込めたりしていたパウロが、まるで正反対に、その救い主イエスを信じる伝道者とされました。驚くようなこの変化は、彼自身の考えや計画ではなく、神によって無理矢理に信じるものとされたのです。これを聞けばユダヤ人たちも救い主イエスを信じるようになるかも知れない、ぜひそうなってほしいと心から願いました。けれども邪魔が入って、ここでその大切な報告は打ち切りにされます。そこにいたユダヤ人たちが腹を立てて邪魔したのですが、実は、そうさせたのは神さまご自身です。伝道者パウロのための実地訓練がつづいています。自分の考えや願いや計画に従ってではなく、神さまにすっかりお委ねして、十分にへりくだって、ただただ神さまのご命令と御心に従って、神さまに仕えて生きる者となるための訓練です(マルコ福音書14:36「しかし私の思いではなく、み心のままになさってください」を参照)。このパウロの手本にならって、すべての伝道者と、主イエスを信じて生きるすべてのクリスチャンが同じく、自分の考えや願いや計画に従ってではなく、へりくだった低い心を与えられるために。神さまにすっかりお委ねして、ただただ神さまのご命令と御心に聞き従って、神さまにこそ従順に素直な心で仕えて生きる者となるためにです。