4/8 こども説教 ルカ20:19-26
『神のものは神に返しなさい』
20:19 このとき、律法学者たちや 祭司長たちはイエスに手をかけようと思ったが、民衆を恐れた。いまの譬が自分たちに当てて語られたのだと、悟ったからである。20
そこで、彼らは機会をうかがい、義人を装うまわし者どもを送って、イエスを総督の支配と権威とに引き渡すため、その言葉じりを捕えさせようとした。21 彼らは尋ねて言った、「先生、わたしたちは、あなたの語り教えられることが正しく、また、あなたは分け隔てをなさらず、真理に基いて神の道を教えておられることを、承知しています。22
ところで、カイザルに貢を納めてよいでしょうか、いけないでしょうか」。23 イエスは彼らの悪巧みを見破って言われた、24 「デナリを見せなさい。それにあるのは、だれの肖像、だれの記号なのか」。「カイザルのです」と、彼らが答えた。25
するとイエスは彼らに言われた、「それなら、カイザルのものはカイザルに、神のものは神に返しなさい」。26 そこで彼らは、民衆の前でイエスの言葉じりを捕えることができず、その答えに驚嘆して、黙ってしまった。
(ルカ福音書 20:19-26)
主イエスを困らせようとして質問する者たちが来ました。それは、とても大切な良い質問で、私たちも自分自身のこととしてよくよく考えてみるに値します。「カイザル」とは、ユダヤを支配しているローマ帝国の王様です。力づくで言いなりにされ、踏みつけにされつづけるのはユダヤ人たちは大嫌いでした。私たちも、誰でもそうですね。だからローマ帝国の王様になんか税金を支払いたくなかった。けれど、「税金を払わなくていい」と答えれば、ローマ帝国に逆らうことになって捕まえられてしまう。「いや、支払うべきだ」と答えれば、他のユダヤ人から憎まれる。どっちを答えても、イエスを困らせることができるのです。彼らのもっているお金を確かめてみました。それはローマ帝国が発行したローマ帝国のお金でした。「ローマ帝国のお金ならローマに返せば良い。神のものなら神に返したらいい」と主イエスは答えました。
それなら、私たちそれぞれがもっているお金や財産や宝物はいったい誰のものでしょうか? 主イエスが教えてくださった主の祈りの中の4番目の祈りは、「私たちが生きるために必要な一日ずつの糧をどうか今日も与えてください」です。神さまから必要なもの全部を贈り与えられて生きている私たちです。つまり、私たちが持っているお金や財産や宝物は、何から何まですっかり全部、神さまのものです。その贈り物をひととき預かって、生きるために使わせていただいています。安心して使っていていいですよ。ただし、『やがて時が来て、私たちの財産も生命も、すっかり全部を神さまにお返しする私たちだ』と、よくよく覚えておきましょう。裸で生まれてきた私たちですから、やがて裸で何も持たずに、神さまのもとへと帰る私たちです。