3/13 こども説教 創世記 28:10-22
『べテルでの夢』
28:10 さてヤコブはベエルシバを立って、ハランへ向かったが、11 一つの所に着いた時、日が暮れたので、そこに一夜を過ごし、その所の石を取ってまくらとし、そこに伏して寝た。12 時に彼は夢をみた。一つのはしごが地の上に立っていて、その頂は天に達し、神の使たちがそれを上り下りしているのを見た。13 そして主は彼のそばに立って言われた、「わたしはあなたの父アブラハムの神、イサクの神、主である。あなたが伏している地を、あなたと子孫とに与えよう。14 あなたの子孫は地のちりのように多くなって、西、東、北、南にひろがり、地の諸族はあなたと子孫とによって祝福をうけるであろう。15 わたしはあなたと共にいて、あなたがどこへ行くにもあなたを守り、あなたをこの地に連れ帰るであろう。わたしは決してあなたを捨てず、あなたに語った事を行うであろう」。16 ヤコブは眠りからさめて言った、「まことに主がこの所におられるのに、わたしは知らなかった」。……20 ヤコブは誓いを立てて言った、「神がわたしと共にいまし、わたしの行くこの道でわたしを守り、食べるパンと着る着物を賜い、21 安らかに父の家に帰らせてくださるなら、主をわたしの神といたしましょう。22 またわたしが柱に立てたこの石を神の家といたしましょう。そしてあなたがくださるすべての物の十分の一を、わたしは必ずあなたにささげます」。
(創世記
28:10-22)
【こども説教】
祝福をだまし取ったことで兄エサウからひどく憎まれ、弟ヤコブは夜逃げをします。人里離れた誰もいない山奥で、彼は石を枕に眠ります。夢を見ました。13-15節、「そして主は彼のそばに立って言われた、「わたしはあなたの父アブラハムの神、イサクの神、主である。あなたが伏している地を、あなたと子孫とに与えよう。……わたしはあなたと共にいて、あなたがどこへ行くにもあなたを守り、あなたをこの地に連れ帰るであろう。わたしは決してあなたを捨てず、あなたに語った事を行うであろう」。神がヤコブに向かって自己紹介をしています。わたしは、あなたのおじいさんアブラハムのための神であるし、あなたの父さんイサクのための神でもある。つまり、あなたのおじいさんお父さんのためには神として、彼らの行く道を守り、必要なものを与え、いのちと生活を守り、支えとおしてきた。けれどまだ、あなたは私を信じていない。だからまだ、あなたの神ではない。
その通りです。わたしのお父さんお母さん、おじいちゃんの神であり、彼らもその神を信じて生きてきたことは知っている。けれど、この自分自身は、今までは神のことを何とも思っていなかった。この自分はどうしよう。この神をわたしの神として、神に信頼を寄せ、神を信じて、聴き従って生きていこうか。ここで、ヤコブはとうとう神を信じて生きていこう、ぜひそうしたいと決めました。20-21節、「ヤコブは誓いを立てて言った、「神がわたしと共にいまし、わたしの行くこの道でわたしを守り、食べるパンと着る着物を賜い、安らかに父の家に帰らせてくださるなら、主をわたしの神といたしましょう」。収入の10分の1をささげます。神に仕えるすべての働きも献金も、みな感謝のささげものです。こうして、神を信じて生きる一人の人が誕生しました。
【大人のための留意点】
ヤコブの誓約(20-22節)に関してですが、いったい、われわれもまた礼拝への参加ということに何らかの効果を期待しているのではありませんか。少しばかり身心の姿勢がただされ、少しばかりより一層の確信と熱意をもって神に従い、少しばかり喜びと感激をもって御心を行なえるようになる、というような効果を。でも今、われわれは少しばかり喜びをかみしめようではありませんか。神が孤独な男を、つまり疲労以外に何もなく、石を枕にする以外に何もない孤独な男を、かくも尊い約束にあずからせてくださっているのですから。彼によって、つまり罪のゆえに逃亡者となった者によって地上のすべての国民が祝福されるとの約束は、われわれいと小さき者にも妥当するのです。われわれの日常の困難、結婚上の問題、家庭の問題、子供の養育上の心配。そうです、賄い(=まかない。食事を用意して食べさせること)つきの下宿の問題が、神の言葉によって大いなる約束の光の中へ移されているのですから。「わたしは決してあなたを捨てず、あなたに語った事を行なうであろう」。アーメン(ヴァルター・リュティ『ヤコブ 創世記連続講解説教集』該当箇所、新教出版社)。